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仏様の残像

以前、何年も前のことですが、岩国で暮らす

お若い方が突然お亡くなりになられ、県外の

地元からご両親が駆けつけられて、大変悲しんで

おられました。かける言葉も見つかりません。

地元に菩提寺がお有りになられるということで

葬儀は密葬で後日地元に帰って、本葬をされる

ことになりました。

その日は別の式場でお通夜を控えていて、

枕経のお勤めに僧侶が来られていました。

静まり返った安置室に、僧侶のお勤めのお経が

かすかに聴こえて来ました。

その時、お父様が「僧侶が来られているのなら

もし時間があれば、わしの息子にもお経を上げて

くれませんか?お願いします」と私にお願いされ、

宗派が違うことも説明しましたが、「お願いしま

す、1分でもいいからお願いします。」と

震えながら、泣きながら、お願いされました。

枕経が終わり、僧侶にことの成り行きを耳元で

お話しすると、まるで全てを悟られたかのように、

「分かりました、すぐにお勤めさせていただき

ます。」と安置室に来ていただき、お勤めを

していただきました。

お勤めをされている間、ご両親は最後まで涙されて

おられました。

お勤めが終わり、ご両親はとても感謝されて、

何度もお礼をされました。

ご出棺の時間が近づいて来ていた時ですが、

僧侶が「少し時間があるので、火葬場までお供

させていただきます。」とお忙しい中、

初めてのご縁の方のために火葬場まで来ていただき

お勤めをしていただきました。

ご両親は、泣き崩れながら「ありがとうございました」

と何度も、何度も・・・・・

荼毘にふされる前に、僧侶に読経をしていただき

故人もご両親にも大変意義深いものになったこと

だと思います。正に宗派を超越したところに

宗教の素晴らしさと意義を教えられました。

全てが区切りとなり、僧侶が帰って行かれる

後ろ姿に、仏様の残像が私には見えました。

目で見えたのではないかも知れませんが、

確かに見えました。

私は宗教家でも、僧侶でもありませんが、

数えきれない方々を送らせていただいて来た、

送り人です。

私の心の中の目が、心眼が僧侶が去られた後に、

仏様の残像を見させていただいたのだと思います。

きっと、その僧侶にはいつも仏様がついておられるの

だと思います。

あの日のことは一生涯、忘れることはありません!

感謝。




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