葬儀の場でよく耳にする言葉に
「棺(ひつぎ)」と「柩(ひつぎ)」が
あります。どちらも故人を納める
入れ物を指しますが、実は微妙な
使い分けがされています。
今回は「棺」と「柩」の違いについて
詳しく解説し、葬儀に関する知識を
深めていただければと思います。
「棺」とは?
「棺」とは、故人を納めるための箱
そのものを指します。まだ故人が
納められていない、空の状態のものを
特に「棺」と呼びます。
使われる場面:
• 葬儀の準備段階で、葬儀社が棺を
会場に搬入する際。
• 棺の種類や素材について
説明する際(木製、紙製、金属製など)。
例:
• 「ご希望の棺はどちらになさいますか?」
• 「棺の搬入が完了しました。」
「柩」とは?
「柩」とは、故人が納められた後の
状態を指します。つまり、故人が
入った状態の棺が「柩」となります。
使われる場面:
• 納棺の後、告別式や火葬の場面で。
• 故人が収められた状態を尊重して
表現する際。
例:
• 「柩を祭壇の中央に安置いたします。」
• 「ご親族の皆様で柩にお花を
お供えください。」
「棺」と「柩」の違いを簡単にまとめると…
用語 状態 主に使われる場面
棺 空の状態 準備段階、搬入時
柩 故人が納められた状態 納棺後、
葬儀や火葬の際
なぜこのように使い分けるのか?
日本の葬儀文化では、故人に対して
最大限の敬意を払うことが大切です。
そのため、故人が納められた「柩」を
指す際は、より丁寧で慎重な表現を
用います。「棺」から「柩」に変わる
ことで、言葉にも故人を大切に扱う
意味が込められているのです。
豆知識:地域や宗派による表現の違い
地域や宗派によっては、「柩」を使わず、
「棺」を一貫して使用することもあります。
特に宗教儀式が中心となる場面では、
言葉遣いが統一されることがありますので、
その場の慣習に合わせるのが良いでしょう。
まとめ
「棺」と「柩」の違いを知ることで、
葬儀における言葉の意味や使い方に
対する理解が深まります。葬儀は大切な
儀式であり、言葉遣い一つひとつに
故人への敬意が込められています。
感謝。