花がなくても、葬儀はできます。
必要最低限の道具と、人と、静かな
時間があれば、お別れは成立します。
それでも、私たちは花を飾ります。
生花祭壇は、時が経てば枯れます。
でも、その儚さこそが、「命には限りがある」
という現実を、やさしく伝えてくれるように
思うのです。
花があることで、人は涙し、そして時には、
最後に微笑むご家族もいらっしゃいます。
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私たちは花を飾ります。
それは義務でも慣習でもなく、
見栄えのためでもありません。
「この方の人生は、まちがいなく
美しかったのです」
そのメッセージを、花というかたちで
お伝えしたいのです。
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今日もまた、どこかで一つの生花祭壇が
咲きます。
そして、静かに、やさしく、一つの人生に
幕が下ります。
それでいい。そういうお別れこそが、
故人様とご家族の心に、あたたかな余韻を
残してくれると信じています。
私たちは、これからも花を飾り続けます。
魂に、花を咲かせるために。

感謝。