少し前までは、「お墓は家族が守るもの」
「代々受け継ぐもの」という価値観が
当たり前でした。しかし現代では、その
「当たり前」が当たり前ではなくなって
きています。今回は、お墓にまつわる現代の
問題点を掘り下げてみます。
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1. お墓の承継者がいない
「子どもがいない」「娘しかいない」
「都会に出て戻る予定がない」――
そんな理由で、「自分の代でお墓を終わらせ
たい」という声が増えています。
お墓は“永続的なもの”という印象があり
ますが、承継する人がいなければ、誰も
手入れをしなくなり「無縁墓」となって
しまいます。現在、全国で増加中の無縁墓は
社会問題となりつつあります。
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2. 墓じまいの増加と心の葛藤
親や祖父母のお墓を管理できない、遠方で
通えないといった理由から「墓じまい(改葬)」
を選ぶ人も増えています。しかし、「親不孝
なのでは?」「ご先祖に申し訳ない」という
気持ちが葛藤となり、決断に踏み切れない方も
多いのが現実です。
墓じまいは単なる整理ではなく、“家族の歴史と
の別れ”でもあります。
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3. 維持費と負担の問題
お墓は建てた後もお金がかかります。墓地の
年間管理費、お供えや掃除のための交通費、
法事やお布施など…。生活が厳しい中、
「このまま維持できない」という声も珍しく
ありません。
一方で、田舎の墓地では「維持費が格安または
無料」であることも多く、都市部とのギャップも
問題になっています。
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4. 家族のカタチの変化
昔は三世代同居が当たり前でしたが、今や
核家族、単身世帯が主流。家族のカタチが
変われば、供養のスタイルも当然変わって
いきます。
「親とは別に自分のお墓を持ちたい」
「配偶者とだけの夫婦墓にしたい」
「子どもに負担をかけたくないから永代供養に
したい」――そんな声が年々増えています。
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5. お墓は“モノ”ではなく“気持ち”
最後に大切なこと。それは、「供養の本質は
“形”ではなく、“心”である」ということです。
墓石があっても気持ちがなければ意味があり
ませんし、墓石がなくても、日々故人を想う
気持ちがあれば、それこそが立派な供養だと
思います。
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【まとめ】
現代は「お墓=石」という固定観念から解放され
つつあります。誰もが抱えるお墓の問題。
正解は一つではありません。だからこそ、
自分の心と向き合い、家族と話し合いながら、
“我が家らしい供養”を考えることが大切です。
「悩んでいるのは自分だけじゃない」という
ことを、まずは知ってほしい。そして、その
悩みに答える選択肢は、今の時代、きっと
たくさんあります。
そして、私達は無縁墓にならない方法を知って
います。
そんなご相談も、私達は誠心誠意対応させて
いただきます。

感謝。