お葬式に参列する際、ほとんどの人が黒い服
(喪服)を着ています。
これは日本独特の風習…と思われがちですが、
実は世界中の多くの国々で「喪に服す色」として
黒が選ばれてきました。
では、なぜ黒なのでしょうか?
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【1. 悲しみを表す色としての“黒”】
黒は、無色・沈黙・闇を象徴する色。
言葉では表せない悲しみや喪失感を、黒という
色で静かに表現しているのです。
→ あえて華やかさを排し、故人への敬意と哀悼を
形にするための選択。
→ 黙して語らずとも「私は深く悲しんでいます」
と伝えることができます。
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【2. 故人を主役とし、自分を目立たせないため】
葬儀は、何よりもまず故人を偲ぶための場。
参列者が目立ってしまう服装は本来ふさわしく
ありません。
→ 黒は目立たず、周囲と調和しやすい色。
→ 参列者全員が黒を着ることで、場全体が一つ
の“静けさ”をまとい、荘厳な雰囲気が生まれます。
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【3. 日本の伝統とマナーの一部として定着】
明治時代以降、喪服として「黒」が公式に広まり、
現代では「喪に服す=黒い礼服」という概念が
定着しました。
特に男性は黒のスーツ、女性は黒のワンピースや
アンサンブルが基本。
靴やバッグ、アクセサリーまでも黒で揃えるのが
正式なマナーとされています。
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【世界でも“黒=喪”の文化は多数】
• 欧米でも、葬儀ではブラックスーツや黒の
ドレスが基本。
• インドでは白が喪服ですが、**世界的には
黒が最も多い“喪の色”**です。
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【まとめ】
葬儀で黒を着るのは、単なる習慣やルールでは
なく、
• 「言葉にならない悲しみ」
• 「故人を尊重し、自分を控える心」
• 「場にふさわしい静けさを守る礼儀」
これらを自然と形にしている、**日本人らしい“
思いやりの文化”**なのです。
葬儀という大切な時間だからこそ、装いにも心を
込めて、故人への最後のご挨拶を届けたいもの
です。

感謝。