近年、「家族葬」や「直葬」といった言葉を
耳にする機会が増えました。かつては多くの
参列者を招き、儀礼を重んじた伝統的な葬儀が
主流でしたが、時代の流れとともに、葬儀は
徐々に“簡素化”されてきました。今回は、
その背景と理由について考えてみたいと
思います。
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1. 核家族化と地域との関係の希薄化
かつては「村全体で見送る」ような、地域社会
との深いつながりの中で葬儀が営まれていました。
しかし核家族化が進み、近隣との関係が希薄に
なるにつれて、葬儀は家族中心の「内輪の儀式」
へと変化していきました。
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2. 経済的負担の見直し
高度経済成長期には、豪華な祭壇、多くの供花、
会葬礼状、通夜振る舞いと、費用をかけて故人を
送ることが“美徳”とされていた時代もありました。
しかしバブル崩壊後の経済不況を機に、葬儀の
費用負担が見直され、無理のない範囲で送ると
いう考え方が浸透していきました。
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3. 宗教儀礼に対する意識の変化
従来は仏式葬儀が当たり前でしたが、近年では
宗教色の薄い「無宗教葬」や「音楽葬」なども
増え、儀礼の形式にこだわらない葬送の形が
多様化しています。「自分らしく」「静かに
見送りたい」と願う人が増えたのも、簡素化の
一因です。
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4. 高齢化と参列者の減少
高齢者が多くなった現代では、葬儀に参列できる
親族や友人も限られてきました。「呼ぶ人が
いない」「遠方から来られない」といった
現実から、10人以下の家族葬や直葬が選ばれる
ようになっています。
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5. インターネットと事前相談の普及
インターネットで葬儀の情報を比較検討できる
時代となり、費用や内容を冷静に判断する
消費者が増えました。葬儀社との事前相談も
一般化し、希望に合った“無理のない葬儀”が
選ばれるようになっています。
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最後に
「簡素化=手抜き」ではありません。
それは“形式よりも想いを大切にしたい”という
時代の意識の表れです。大切なのは、どのような
形式であれ、故人を悼む心が込められているか
どうかです。トワ家族葬ホール岩国では、
そうした想いに寄り添った葬儀の形をご提案して
います。

感謝。