商売をしていると、よく耳にする言葉があります。

「売上は水物だ」と。

本当にその通りです。

どれだけ良い月があっても、次の月にはまったく

見通しが立たないこともある。

昨日まで続いていた流れが、突然ピタリと止まる

ことだってある。

それが「水物」の本質です。

けれど――

そんな“水”のように不安定な売上とは対照的に、

毎月の支払いは“はかり”で量ったように、実に

正確にやってきます。

給料、家賃、光熱費、ローン、税金…

一日でも遅れるわけにはいかない支払いが、容赦

なく、きっちりと積み重なっていく。

だから、私たちは考えます。

どうやって、水物の売上を“はかり”のように正確に

積み上げていくか？

それは、広告や数字のマジックだけではでき

ません。

その答えは「親切」です。

数字には表れない、けれど確実に“何か”を残す

行動の積み重ねです。

・一言添える温かい言葉

・目を見て、しっかりと頭を下げるお見送り

・説明をわかりやすく、丁寧に繰り返すこと

・利益にならなくても、やるべきことはやる覚悟

毎日の売上では見えないかもしれません。

今日の数字には表れないかもしれません。

でも、1年後、3年後、10年後。

それは確実に、“信頼”というかたちで戻って

きます。

親切の積み重ねこそが、目には見えない“売上の

基礎”を作ってくれるのです。

数字は数字。

でも、本当の売上を作っているのは、

数字では測れない“心”の部分かもしれません。

水のように流れる日々の中で、今日も私は、目の

前の人に、できる限りの親切を尽くす。

それが、明日の“はかり”の一目盛りになることを

信じて。

感謝。