今年、戦後80年という大きな節目を迎えました。
日本の空が、そして日本人の心が大きく変わった
あの日から、もう80年も経ったのです。
鹿児島・知覧。
静かに佇む特攻平和会館の前に立つと、言葉を
失います。
そこは、かつて沖縄の海に向かって出撃して
いった若き先人たちの「出発の地」。
まだ10代、20代という青春のまっただ中にいた
青年たちが、自らの命を賭して飛び立ちました。
沖縄の敵艦隊に向かって、祖国と家族の未来の
ために。
彼らの選択が正しかったのか、間違っていた
のか――
それは今の私たちが簡単に決められることでは
ありません。
ただ一つだけ、はっきりと言えるのは、
「彼らがいたから、今の私たちがいる」と
いうこと。
戦争を知らない世代が大多数となった今、
便利で豊かな日々を送る私たちが、彼らの
ことを忘れてはいけないと思うのです。
知覧の地に咲く桜のように、彼らの命は短く
儚いものでしたが、その思いは今も風に乗って、
私たちに問いかけているように感じます。
「あなたたちは、この平和を大切にして
いますか?」
「私たちの命でつないだ未来を、胸を張って
生きていますか?」
あの日、知覧から沖縄へと飛び立った若き
先人たちへ。
あなたたちのことを、私たちは忘れません。
これからも、この平和を守り続けることで、
あなたたちに応えたいと思います。
戦後80年、改めて、静かに手を合わせます。

感謝。