浄土真宗の第8代法主・蓮如上人が書かれた
「御文章(ごぶんしょう)」の中には、
世界的にも有名な一節があります。
それが「白骨の章」です。
この文章は、今からおよそ500年以上も前に
書かれたものですが、現代を生きる私たちの
心にも深く響く言葉が並んでいます。
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■ 白骨の章とは
蓮如上人が75歳のころ、亡くなった娘の供養を
きっかけに書かれたと伝えられています。
その中で、次のような一節があります。
「それ、人間の浮生なる相をつらつら観ずるに、
凡そはかなきものは、この世の始中終、幻の
如くなる一期なり。
されば朝には紅顔あって夕には白骨となれる
身なり。」
(意訳)
人の命のあり方をよくよく見つめてみると、
人生というものは幻のように儚い一瞬の
出来事である。
朝に元気で笑っていた人が、夕方には白骨と
なっている――
それほど命とは脆く、移ろいやすいものだ。
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■ 無常という真理
「白骨の章」は、死を恐ろしいものとして
描いてはいません。
むしろ、「誰にでも平等に訪れる自然の理」と
して、静かに受け入れることを教えてくれて
います。
私たちはつい、「まだ先のこと」
「今は関係ない」と思ってしまいます。
しかし、生まれた瞬間から「死」という現実へ
一歩ずつ近づいているのも事実です。
だからこそ、この一瞬をどう生きるか。
どんな想いで人と関わり、何を大切にして
生きていくか。
そこにこそ人生の価値があるのだと、
蓮如上人は伝えています。
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■ 葬儀の場で伝わる“生きる意味”
トワ家族葬ホール岩国でも、お葬式の場で
時折この「白骨の章」が読まれることが
あります。
悲しみの中にあっても、「命の尊さ」や
「いま生きている奇跡」を感じる方が多く、
静かな涙の中に“感謝”の心が宿る瞬間を何度も
見てきました。
葬儀とは、亡くなった方を送る時間であると
同時に、残された人が「これからどう生きるか」
を見つめ直す大切な時間でもあります。
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■ トワの想い
葬儀の仕事をしていると、日々「命」や
「無常」と向き合う機会があります。
だからこそ、ただ形式的にお葬式を行うのでは
なく、ご家族の心に寄り添い、「その方らしい
最後」を形にすることを大切にしています。
本田宗一郎さんが残された「人真似をするな」
という言葉のように、トワもまた、人の真似では
なく“心”で勝負する会社でありたいと思ってい
ます。
流行ではなく本質を見つめ、一つひとつの
ご縁を大切に積み重ねていくこと。
それが、私たちの信念です。
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■ 今日のひとこと
命は儚い。
だからこそ、今日を大切に生きよう。
そして、誰かの想いを大切に送ろう。

感謝。