「働き方改革」という言葉を、最近よく耳にします。
休みを増やし、残業を減らし、ワークライフ
バランスを整える――
確かに、それはとても大切なことです。
誰もが健康で、家庭を大切にできる社会は
理想です。
けれども、私はふと思うのです。
私たちが若い頃は、バブル経済の真っ只中。
普通に働けば生活ができ、人一倍働けば小さな
財産が築け、さらに工夫して努力すれば、
夢のような成功も手にできる時代でした。
そして何より――みんな、よく働いていました。
男は仕事に汗を流し、女は家を守る。
もっと昔の世代は、5人も6人も子どもを育て
ながら、朝から晩まで働き続けました。
その積み重ねが、日本を戦後わずか50年で
世界一の経済大国に押し上げたのです。
時代は変わりました。
働き方も、生き方も、多様になりました。
それは素晴らしいことですが、どこかで「働く
ことの意味」まで軽くなっていないだろうか――
そんなことを考えてしまいます。
凡人の私のような人間は、やはり働かないと
豊かにはなれません。
額に汗して、地道に努力して、やっと人並み。
それでも、不思議とその中に“生きている
実感”があるのです。
働くとは、単にお金を得ることではなく、
自分の存在を誰かの役に立てること。
その積み重ねが、人生を確かに豊かにして
くれる。
働き方が変わっても、「働くことの尊さ」
だけは、決して失ってはいけない。
そう思います。

感謝。