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美しく生き、美しく旅立つ

以前、訃報のお電話をいただきました。

「母が自宅で亡くなりました」とのご連絡。

これまでの経験から、どうしても頭をよぎった

のは孤独死の悲しい現場のイメージでした。

静まり返った部屋の中、誰にも看取られずに

旅立たれた方の姿を、何度も見てきたからです。

しかし、今回お伺いした光景はまったく違って

いました。

亡くなられたのは99歳のおばあちゃん。

なんと前日までご自分で家事をされていた

そうです。

台所には使った形跡のある食器、整えられた

洗濯物、きれいに畳まれた布巾――

そのひとつひとつが、「最期まで自分の力で

生きた証」でした。

そしてお布団の中で、まるで眠るように穏やかな

お顔で旅立たれていました。

そのお姿を前に、隣に住む息子さんは涙を

流しながら、こうおっしゃいました。

「母らしい最期でした。誰にも迷惑をかけず、

きれいなまま逝きました。」

悲しみよりも、むしろ感動に包まれた時間

でした。

「生き方」は「逝き方」にあらわれる。

その言葉の意味を、改めて深く感じさせて

いただいた一日でした。

私たちはいつも“死”の現場に立ち会ってい

ますが、同時に“生”の尊さを教えていただく

場でもあります。

命が尽きる瞬間まで「自分らしく」あり続けた

おばあちゃん。

その生きざまは、まるで春の陽だまりのように

優しく、私たちの心に温かい光を残して

くださいました。

心よりご冥福をお祈りいたします。

そして、こんなにも美しい最期を見せて

くださったことに、感謝いたします。

感謝。


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