全国的に、葬儀費用の単価は年々下がり続けて

います。

その背景には、葬儀に対する価値観の変化、

生活環境の変化、そして「見栄や形式よりも、

家族の想いを大切にしたい」という新しい

時代の流れがあります。

少し前までは、「ご近所が総出でお手伝いを

するのが当たり前」

「町内で力を合わせて故人を送る」

そんな“地域で見送るお葬式”が、日本の

常識でした。

葬儀費用がいくらかかるのかを細かく気に

する人は、ほとんどいなかった。

「最後のときくらい、しっかりやって

差し上げたい」

そういう気持ちが当たり前のようにありました。

しかし今、時代は大きく変わりました。

ご近所付き合いは薄くなり、

急速に核家族化が進み、

「家族だけで、静かに、温かく見送りたい」

という声が圧倒的に増えています。

家族だけだから、見栄を張る必要はない。

自然体でいい。

お金をかけすぎずに、心を込めて送りたい。

そして多くのご家族が口を揃えてこう言われ

ます。

「派手にしなくていい。家族だけで送って

ほしい。」

それは故人様自身が、生前にそう言い遺されて

いたというケースがほとんどです。

――考えてみれば、少し寂しい時代になった

のかもしれません。

昔のように町内が助け合って送る“大家族の

葬儀”は少なくなりました。

けれど、その代わりに生まれてきたのは、

家族の温もりが一層深く伝わる、小さくて

優しいお葬式。

私たちは、この時代の流れをそのまま

受け止めながら、目の前のご家族にとっての

「最高の形」を常に考え続けています。

どれだけ葬儀の単価が変わろうとも、

どれだけ時代が移り変わろうとも、

大切なのは“数字ではなく、想い”。

その想いを大切にしながら、

今日も一つひとつのお別れに向き合って

います。

感謝。