私たち人間は、いつか必ず誰かを見送り、そして
いつか見送られる側になります。
夫婦で長い年月を歩まれてきたお二人にとって、
片方が先に旅立つ日は、想像しただけでも胸が
締め付けられる想いがあるでしょう。
一般的に、先に旅立たれた方のお葬儀では、
ご夫婦のどちらか──多くの場合、配偶者が
喪主を務められます。
例えばご主人様のご葬儀であれば、奥さまや
長男さまが喪主になられるケースが多く
見られます。
同じ土地で、同じ時間を過ごしてこられた
奥さまは、深い悲しみの中であっても、
葬儀社へのご連絡、菩提寺へのお願い、
ご近所へのご挨拶など、周囲の助けを得ながら
なんとか送り出すことができます。
生前の暮らしや地域との繋がりが、その支えに
なってくれるからです。
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しかし、本当に大変なのは “その次” です。
お一人で残られた奥さまが後にお亡くなりに
なった際──
その時は、遠方に住むお子様が急いで帰省し、
時間のない中で葬儀の手配をしなくてはなり
ません。
・どこに連絡すれば良いのか
・どの葬儀社が信頼できるのか
・寺院へのお願いはどうすれば良いのか
・近所付き合いがほとんどない場合は誰に
連絡をすべきなのか
現代では、二世帯同居は減り、ご近所の結び付き
も希薄になってきました。
特に娘さまだけのお宅では、お婿さんが中心と
なって心配してくださるケースもありますが、
初めての事だらけで戸惑いは大きくなります。
「考えたくないけれど、必ず訪れる未来」──
そう向き合った時、多くのご家族が口にされる
のは、“何かしらの備えが必要だ” という
実感です。
私たちも、もちろん例外ではありません。
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葬儀は、いま確実に“変化”しています。
核家族化が進み、地域のつながりは薄れ、
「派手な式は必要ない」「家族だけで静かに
見送りたい」
そんな声が全国的に増え続けています。
葬儀という儀式は、ここ数年で明らかに 急速な
簡素化 を迎えています。
そしてこれからも、間違いなく変化し続ける
でしょう。
だからこそ、私たち葬儀社側が忘れてはならない
ことがあります。
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“変化に対応できる葬儀社”こそ、本当に強い。
過去の経験にしがみつき、「昔はこうだった」
「これが正しい」と押し付けるのではなく──
喪家様ごとに違う『最も理想的なお別れ』を
一緒に考えること。
それこそが、これからの葬儀社に求められる
姿だと私たちは考えています。
葬儀社主導の高額プランを勧める時代は
もう終わりました。
必要なのは、
・ご家族が本当に望む形を丁寧に聞くこと
・無駄を見極め、適正な内容をご提案すること
・悲しみに寄り添い、安心して進められる
道筋を示すこと
経験を武器にするよりも、変化に柔軟に学習し
続ける姿勢こそ、最高のサービスに繋がる。
私たちはそう信じています。
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最後に
どなたにも、必ず訪れる “その時”。
だからこそ、元気な今だからこそ、ご夫婦で、
親子で、少しだけ話し合ってみてください。
「もしもの時、誰が何をすれば良いのか」
「どんな形で送りたいのか」
「どこに相談すれば安心なのか」
備えている人と、備えていない人では、
心の負担が大きく違います。
ご家族が迷われた時、立ち尽くした時、
そっと背中を支えられる存在でありたい──
これからも変わらず、その想いで私たちは
お手伝いをしてまいります。

感謝。