90代のおばあちゃんのお別れのお手伝いを
させていただいた時のことです。
ご主人をはじめ、息子さん、娘さん、ご親族の
皆さまがお一人お一人、順番にお花を手向け
ながら、涙をこらえきれず、静かに、そして
深い想いを込めて最後のお別れをされていました。
長い人生を共に歩まれ、家族を支え続けて
こられたおばあちゃん。
その歩みの重みが、会場全体に伝わってくる
ような、とても厳かで胸に迫る時間でした。
そんな中、故人のごきょうだいである妹さんが、
抑えきれない想いから、大きな声で泣きながら
何度も何度もお名前を呼ばれました。
その必死な姿に、私たちスタッフも胸が
締めつけられる思いで見守っていた、
その時でした。
ご親族の中のお一人が、少し照れたように、
そして優しい笑顔でこう言われたのです。
「そんな大きな声で呼んだら、ばあさんが
起きるけー。」
一瞬、静まり返った会場。
そして次の瞬間、涙でいっぱいだったはずの
空間が、ふっと和らぎ、皆さんが思わず
笑顔になり、会場は大きな笑いに包まれました。
泣きながら、笑いながら、「らしいね」
「ほんとだね」と語り合うご家族の姿。
そこには、悲しみだけではなく、これまで
一緒に過ごしてきた時間への感謝と、
深い愛情が確かにありました。
お葬式は、悲しいだけの場ではありません。
その方がどれほど愛され、どれほど大切に
されてきたかが、自然と表れる場なのだと、
改めて感じさせていただきました。
涙と笑顔が同時にあふれる、とても温かく、
そして感動的なお葬式でした。
この大切な時間に立ち会わせていただけた
ことに、心から感謝いたします。

感謝。