葬式の現場に立っていると、人の悲しみには
「大きな声」と「声にならない声」がある
ことを強く感じます。
泣き崩れる方もいれば、気丈に振る舞いながら、
胸の奥で涙をこらえている方もいらっしゃいます。
そんな時、ふと思い浮かぶのが
**観世音菩薩(かんぜおんぼさつ)**です。
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観世音菩薩とは、「この世のすべての声を観て、
救う仏さま」。
叫ぶような悲しみだけでなく、
言葉にできない苦しみ、
胸の奥に押し込めた想いまでも、
静かに聞いてくださる存在だと伝えられています。
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観音さまは、怒りません。裁きません。
「こうあるべきだ」とも言いません。
ただ、その人の苦しみの大きさに合わせて、
そっと隣に座ってくれる仏さまです。
時には親の姿で、時には友人の姿で、
時には何も語らず、ただそばに居る存在として。
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葬儀の場で、観音像に自然と手を合わせる方が
多いのは、きっと理由があるのだと思います。
「頑張らなくていいですよ」
「泣いてもいいですよ」
「ちゃんと、ここにいますよ」
そんな言葉にならない優しさを、私たちは
本能的に感じ取っているのかもしれません。
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私たちトワ家族葬ホール岩国が大切にして
いるのも、同じ想いです。
正解を押し付けないこと。
比べないこと。
急がせないこと。
ただ、そのご家族のペースで、その悲しみに
寄り添うこと。
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観世音菩薩の教えは、特別な経典の中だけに
あるものではなく、人が人を思いやる、
その一つ一つの行いの中に生きているのだと
感じます。
今日も誰かの「声にならない声」に、そっと
耳を傾けられる存在でありたい。
そう願いながら、また一日、現場に立たせて
いただきます。

感謝。