昔は、葬儀にいくらお金がかかっても、
それに異議を唱える方は、ほとんどいません
でした。
私が若い頃、先輩の葬儀屋からこんな言葉を
聞いたことがあります。
「個人の葬儀屋はな、月に1件のご依頼があれば
食べていける。2件あれば儲かる。3件あれば、
倉が建つ。」
今では、信じられないような話かもしれません。
でも、それが当たり前だった時代が、確かに
ありました。
当時の葬儀は「家の格式」「世間体」「体裁」を
守るもの。
費用は高くて当然で、内容を細かく問われる
ことも少なかったように思います。
しかし、時代は大きく変わりました。
核家族化が進み、ご近所付き合いも薄れ、
「立派な葬儀=良い葬儀」という価値観は
少しずつ崩れていきました。
今は、「なぜこの金額なのか」「本当に必要
なのか」「自分たちらしい送り方なのか」
そう考えられる時代です。
決して、冷たくなったわけではありません。
むしろその逆で、故人と向き合う時間や想いを
大切にしたいという気持ちが、強くなったの
だと思います。
葬儀は、見栄のためのものではなく、
残された人が、きちんとお別れをするための
時間。
高いか、安いかではなく、納得できるかどうか。
これからの葬儀屋に求められるのは、
「売る力」ではなく、「寄り添う力」なのだと、
私は思います。
時代が変わったからこそ、私たちも変わら
なければならない。
でも、大切な人を想う気持ちだけは、昔も今も、
これからも、何一つ変わらないのだと思います。

感謝。