以前、雨の日の出来事です。
雨の日になると、ふと思い出すお葬儀が
あります。
その日も、朝からあいにくの雨でした。
ご親族の皆様は空を見上げながら、「せめて
出棺の時だけでも…」と、肩を落とされて
いました。
雨は降り続き、やがてご出棺の時間に。
すると、不思議なことが起こりました。
皆様が外へ出られた、その瞬間。
まるで示し合わせたかのように、雨がすっと
やんだのです。
ほんのわずかな時間でしたが、確かに雨は止み、
空が静かになりました。
偶然だとは思います。
それでもご親族の皆様は、こうおっしゃいました。
「きっと、本人が一瞬だけ雨を止めてくれ
たんだね」
その言葉に、皆様の目が潤み、そして優しい
笑顔が広がりました。
とても感動的なご出棺でした。
もし、最初から晴れていたら
「今日は良い天気でよかったね」
きっと、それで終わっていたと思います。
雨だったからこそ、悪天候だったからこそ
生まれた、心に残る一瞬。
時として、雨の日は、晴れの日以上の感動を
運んでくれることがあります。
私は、雨が降るたびに、あの日の光景を
思い出します。

感謝。