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涙の痕

いつかのお通夜、そしてお葬儀でのことです。

喪主様は、終始とても気丈に振る舞われて

おられました。

深い悲しみの中にありながら、ご親戚の方や

会葬者の方一人ひとりに、丁寧にご挨拶をされ、

周囲への気遣いも忘れないお姿でした。

「本当にしっかりされている方だな」

私たちスタッフも、そう感じていました。

お葬儀は滞りなく閉式し、最後のお別れへ。

その時も涙を見せることなく、ご出棺となり

ました。

そして、ご親族様に遺影写真をお渡しした時の

ことです。

写真のガラスに、たくさんの“しずく”の跡が

残っていました。

一瞬、「なぜ濡れているのだろう」

そう思いましたが、すぐに分かりました。

皆様の前では気丈に振る舞われていたけれど、

きっと昨日の夜、誰もいない時間に、

遺影を胸に抱きしめながら――。

これ以上は、書かなくても伝わると思います。

私たちは、その深いお悲しみを完全に癒して

差し上げることは出来ません。

ただ、ほんの少しでも。

ほんのわずかでも。

そのお気持ちが和らぐ時間が訪れることを、

スタッフ一同、心よりお祈りしております。

感謝。


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