お葬儀の場面では、「南無阿弥陀仏」
「南無妙法蓮華経」というお言葉を耳にする
ことがあります。
しかし、この**「南無」**という言葉の意味を、
深く考えたことのある方は、意外と少ないのでは
ないでしょうか。
「南無」とは、インドの古い言葉である*
*サンスクリット語の「ナマス」**が語源で、
「帰依します」「すべてをお任せします」
「心から敬います」という意味があります。
つまり、「南無阿弥陀仏」とは阿弥陀様にすべて
をお任せします。
どうかお導きください。
という、とても深い意味が込められた
言葉なのです。
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私たち人間は、どんなに努力をしても、どんなに
お金を積んでも、老い、病、そして死
この宿命から逃れることは出来ません。
それが仏教で言う諸行無常という教えです。
しかし、その中で人は、苦しみや悲しみの中に
あっても、何かにすがり、何かを信じて生きて
います。
その時に唱えられる言葉が「南無」なのだと
思います。
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お葬儀の現場におりますと、ご遺族が静かに
手を合わせながら「南無阿弥陀仏」とつぶやかれる
姿を何度も目にしてきました。
そこには、悲しみ、感謝、祈り、そして愛情
様々な想いが込められています。
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「南無」とは、単なる宗教的な言葉ではなく、
人が人を想う心そのものなのかもしれません。
私たちは、多くの方の人生の最後のお別れに
立ち会わせていただいています。
その中で感じることは、人は最後、必ず誰かに
見送られ、誰かの心の中で生き続けていくと
いうことです。
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本日、手を合わせるその瞬間、どうか皆様の
心の中で、そっとこの言葉を思い出して
いただければと思います。
南無
それは、「ありがとう」「どうか安らかに」
「また会いましょう」
そんな想いが込められた人の祈りの言葉なの
かもしれません。
合掌

感謝。