お葬儀の中で、「御文章(ごぶんしょう)」と
いう言葉を耳にすることがあります。
仏式のご葬儀、特に浄土真宗のご葬儀では、
僧侶が御文章を拝読される場面がありますが、
この御文章とは一体、誰が何のために書かれた
ものなのでしょうか。
御文章を書かれたのは、浄土真宗の中興の祖で
ある蓮如上人です。
蓮如上人は、今から約500年前、室町時代に
生きた僧侶で、親鸞聖人の教えを、広く人々に
伝えた方です。
当時の仏教は難しい言葉が多く、一般の人には
なかなか理解できませんでした。
そこで蓮如上人は、「誰にでも分かる言葉で
仏の教えを伝えたい」
という思いから、手紙の形で教えを書き残され
ました。
これが御文章です。
御文章は、お経ではありません。
仏様の言葉を、分かりやすく説いた教えの
手紙です。
なぜ手紙の形にしたのかというと、当時は印刷も
なく、一つ一つを書き写して各地に伝えていった
からです。
つまり御文章は、信心を忘れないために
生きている人のために
そして亡くなった方を縁として
仏の教えに触れるために
書かれたものです。
私たちは日々、葬儀のお手伝いをさせて
いただいていますが、御文章を拝読される場面に
立ち会うたびに思うことがあります。
葬儀は、亡くなった方のためだけではなく、
残された私たちが、生きる意味を考える時間でも
あるということです。
人は必ず旅立ちます。
それは誰にも避けられません。
だからこそ仏様の教えは、今をどう生きるか
を大切に説かれているのだと思います。
御文章は、亡くなった方を通して、生きている
私たちに向けて書かれた言葉なのかもしれません。
本日も一つ一つのご葬儀に心を込めて、
誠心誠意お手伝いさせていただきます。

感謝。