ウサギを飼っていた頃の話ですが、私は動物が
嫌いな訳ではないのですが、昔とても悲しい
想いをした事があるので、動物を飼うのは止めて
いました。
昔お世話になっていた、伯父、伯母はとても
動物が好きで、犬を二匹と、猫七匹と、鶏を一羽
飼っていました。そのほとんどが、捨て犬や
野良猫でした。そんな中、自然と私も動物が
好きになり、犬の散歩を担当していました。
しかし、生き物には寿命があります。人間に
例えると80歳を超えた愛犬が、日に日に弱って
いきました。足腰が立てなくなり、息も荒くなり、
交代で夜通し看病をしました。
最後、体をなでてやると、残り少ない力を
振り絞って、私の手を舐めようとしていました。
犬は最後の最後まで、忠犬です。「最後くらい
自分のために生きろよ!」心の中で叫んだ記憶が
あります。そして、安らかに旅立ちました。
それ以来、熱帯魚以外の動物は飼っていません
でした。でも、本当の動物好きな人は、
その悲しみを乗り越えて、また次の愛犬を
家族の一員としています。
私には、その勇気がありませんでした。
そんな中、久しぶりに動物を飼う事になったのが、
ウサギです。ウサギを飼うのは初めてでした。
ネザーランドドワーフというオランダ産のウサギ
です。飼ってみて色々勉強になる事がありました。
犬や猫とは全然違って飼い主に全くなれないの
です。呼んでも近寄らないし機嫌が悪い時は、
噛みついてきます。普通のウサギに比べて気が
荒い種類だそうですが、それにしても、ひどすぎ
ました。なんとかなれてもらおうと、抱いて
やったりしましたが、なれません。
ひょっとしたら、うちのウサギだけかも知れ
ません。
そんな中、ある事に気付きました。ウサギには、
発達した牙も、凶暴な爪も有りません。
本来、野生の野ウサギは真っ先に、肉食獣の
餌食になる動物です。
何度も手を噛まれましたが、一瞬痛いだけで
致命的なダメージを受ける事はありません。
もし、うちのウサギが野生に生れていたら、
「たったこれだけの抵抗しかできずに、肉食獣の
餌食になるのか?」そう考えるととても愛おしく
なりました。
犬や、猫とは全く違った感情で、なれない
ウサギを愛おしいと思えるようになりました。
弱肉強食という厳しい掟の中で、野生の動物は
各々の使命を果たしています。
それに比べるとうちのウサギは幸せ者です。
しかし、そんな事にも全く気付いていないのが
ウサギです。ただ確かな事は、動物達は私達
人間の都合で、可愛がられたり、捨てられたり
しています。縁あってめぐり会えたので、最後まで
責任もって可愛がってやる事が大切です。
そをな事を教えてくれたウサギでしたが数年前に
旅立ちました。
ありがとう!
感謝。