お葬式や納骨の際によく耳にする「喉仏」と
いう言葉。
特にお骨上げのとき、「これが喉仏です」と
説明されることがあります。
でも実際に見てみると、それは首の骨の一部、
頸椎です。
なのに、なぜ「仏」という名前がついているの
でしょうか?
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🔍 喉仏の正体
お骨上げの際に残る「喉仏」は、実際には
第2頸椎(軸椎) という骨です。
首の中心部分にあるこの骨は、焼かれると
上下の突起が丸く、中央がくびれた独特の
形になります。
その形がまるで、座禅を組んで合掌する仏様の
姿に見えるため、「喉仏」と呼ばれるように
なったのです。
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🔷 なぜ首の骨が仏に見えるのか
第2頸椎は、中央に穴が空き、左右対称の翼の
ような部分と、中央の突起が頭のように
見えます。
人によっては、蓮華座に座る仏様や、合掌して
いるお坊さんのように見える、とも言われます。
この美しい形から、日本人の感性で「ここに
魂が宿る」「仏様になる」というイメージが
重ねられ、特別な意味が込められるように
なったのです。
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🌸 まとめ
「喉仏」は正式な解剖学の名称ではありません。
頸椎の一部に過ぎませんが、日本では古くから
仏教的な意味合いが強く、「成仏」の象徴と
して大切に扱われてきました。
科学と信仰の狭間で生まれた、美しい呼び名
なのかもしれません。
お骨上げの際、ぜひその形に込められた意味を
感じてみてください。
ただの骨の一部が、私たちの心の中で
仏様になる、そんな優しい文化がここに
あります。

感謝。