葬儀の場に欠かせないもののひとつが
「供花(きょうか・くげ)」です。
祭壇を彩る花には、見た目の美しさだけでなく、
深い意味や祈りが込められています。
花は命あるものの象徴。生まれ、咲き誇り、
やがて散っていく姿は、人の一生を映し出して
いるかのようです。だからこそ、故人を送る
場に花を手向けることは、「ありがとう」と
いう感謝や、「安らかに」という祈りを表す
大切な習慣なのです。
また、供花には「故人と遺族に寄り添う気持ち」
を伝える役割もあります。直接言葉にするのは
難しい想いを、花を通して届ける。そこに
葬儀文化の温かさがあるのではない
でしょうか。
現代では、色とりどりの花が供えられる
ことも増えました。華やかさは悲しみを
和らげ、同時に「その人らしさ」を表現する
ものにもなっています。白菊一色の厳粛な
美しさもあれば、洋花を交えた優しい
雰囲気もあります。
供花は単なる飾りではなく、心を伝える
大切な手段。
その一輪一輪に込められた想いを感じながら、
私たちは大切な人を見送っているのです。

感謝。