閻魔様といえば、誰もが「怖い顔」を
思い浮かべるのではないでしょうか。
地獄で裁きを下す神様として、恐れられる
存在です。
けれど、その「怖い顔」にも実は深い意味が
あるという話を聞きました。
それは、閻魔様が怒っているのではなく、
苦しみを背負っておられるという説です。
人を裁く前に、自ら煮えたぎった湯を飲み、
その苦しみを先に味わう。
その熱さに耐える表情が、私たちには「怒って
いる顔」に見えるのだそうです。
つまり、閻魔様は「罰する」ためではなく、
「救いたい」という想いで裁きをしておられる
のです。
この話を聞いたとき、胸が熱くなりました。
人を正す立場の人こそ、誰よりも苦しみを
知っている。
だからこそ、優しさと厳しさの両方を
持ち合わせている。
閻魔様の怖い顔は、怒りの顔ではなく、
慈悲の顔。
そう思うと、あの表情がまるで優しく見えて
くるから不思議です。

感謝。