葬儀は、通夜と葬儀の二日間にわたって
行われます。
その二日間、私達は全身全霊で、ご家族の
お手伝いをさせていただきます。
準備や段取り、式の進行。
どれも大切で、気を抜くことはできません。
けれど、私達がいちばん大切にしているのは、
実は、とても短い時間です。
それは――最後のお別れの時間。
ほんの15分ほどの、棺の前で、大切な方と
向き合う時間です。
その短い時間に、通夜も、葬儀も、そして
これまで積み重ねてこられた想いのすべてが、
静かに込められます。
「ありがとう」
「お疲れさま」
「もっと話したかった」
言葉にならなかった気持ちが、花を手向ける
手のぬくもりや、そっと触れる仕草や、
静かに流れる涙となって伝わっていきます。
どんなに立派な式でも、最後のお別れの時間が
慌ただしく過ぎてしまえば、心に残るものは
少なくなってしまいます。
だから私達は、最後のお別れの時間を、何よりも
大切にしています。
急がせず、区切らず、形式よりも、ご家族の
気持ちを優先する。
「もう少し一緒にいたい」
そのお気持ちがあれば、私達は待ちます。
葬儀は、やり直すことができません。
だからこそ、あの15分が「きちんとお別れが
できた」
そう思っていただける時間であってほしいと
願っています。
二日間の葬儀の集大成は、最後のお別れの時間に
あります。
その時間が、悲しみだけでなく、感謝と納得に
包まれたものになるように。
私達は、その大切なひとときを守るために、
今日も心を込めてお手伝いしています。

感謝。