奥様を亡くされた喪主のご主人様のごあいさつ。
必死に涙をこらえながら、唇をふるわせ、言葉を
選び、それでも「伝えなければ」と、精一杯の
お気持ちを絞り出されるそのお姿に、
同じ男として、胸が締めつけられる思いが
しました。
言葉は決して多くありません。
けれど、その一言一言に、長い年月を共に歩んで
こられたご夫婦の歴史、守り続けてこられた日常、
そして、もう触れることのできない存在への
深い愛情が、あまりにも強く込められていました。
火葬場での、最後のお別れ。
炉の中へとお棺が納められ、その場に静けさが
訪れた瞬間、喪主様の肩が小さく、しかし確かに
震えている後ろ姿が目に入りました。
声を上げることもなく、ただ、こらえきれない
悲しみを、全身で受け止めておられるその姿に、
私たちもまた、言葉を失いました。
人は、これほどまでに人を想うことができる。
その事実を、あらためて教えていただいた気が
します。
ご主人様のお悲しみが、一日でも早く、少しでも
やわらぎますように。
無理に前を向かなくても、涙を流しても、
立ち止まってもいい。
どうか、ご自身を責めることなく、ゆっくりと
時間を重ねていかれますよう、心よりお祈り
いたします。
深い悲しみの中にあっても、周囲へのお気遣いを
忘れず、懸命にごあいさつをされた喪主様の
やさしさに、私たちは、ただただ感謝の気持ち
しかありません。
ありがとうございました。
心から、安らかなる日々が訪れますことを。

感謝。