――知っておきたい葬儀の形と意味
葬儀の形は時代や地域によって変化して
きましたが、その中でも近年よく耳にする
のが「家族葬」と「密葬」です。似ている
ようで、目的や流れには明確な違いがあります。
今回は、その違いと選び方のポイントを
整理します。
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家族葬とは
家族葬は、一般葬と基本的な流れは同じですが、
規模を小さくして近親者や親しい友人だけで
行う葬儀のことを指します。実は法律や業界で
明確な定義はなく、「家族だけ」と限定される
わけでもありません。
•参列者:故人や喪主の意向で限定
•目的:落ち着いた雰囲気で、ゆっくりと
お別れの時間を過ごす
•特徴:告別式も行うため、これで葬儀が
完結する
最近では「参列者の負担を減らす」「故人を
静かに見送りたい」という理由から選ばれる
ケースが増えています。
現在では葬儀全体の50%以上が家族葬で送られて
います。
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密葬とは
密葬は、後日本葬(ほんそう)を行うことを前提に
執り行う葬儀です。家族やごく近い関係者のみ
で、火葬や簡易的な式を先に行います。
•参列者:極めて限定的(多くは家族のみ)
•目的:本葬までの間に火葬を済ませるため
•特徴:本葬を別日に行うため、弔問客や
関係者への案内は後日
芸能人や著名人の場合、人の出入りや
報道対応のために密葬を選び、本葬は関係者・
ファン向けに盛大に行うケースが多く見られ
ます。
一般の方が密葬を選択される場合の例としては
出張先や縁もゆかりも無い所でご不幸に遭われた
際に、そこで荼毘に付さなければならない事情に
遭遇した場合に密葬として荼毘に付し、後日、
還骨(かんこつ)後に本葬を執り行う事などが
あります。
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選び方のポイント
1. 葬儀を一度で完結させたい場合 → 家族葬
2. 事情があり日程を分けたい場合 → 密葬
3. 親戚や関係者の人数・距離感
4. 費用・会場・準備期間
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まとめ
•家族葬:一般葬と流れは同じ、小規模で
完結する葬儀(定義なし)
•密葬:後日本葬を前提に行う事前の葬儀
•どちらも「静かに見送りたい」という
想いから選ばれるが、スケジュールや
参列範囲で選択が変わる
葬儀は故人の遺志やご家族の想いを形にする
大切な時間です。どの形を選ぶかは、事前に
話し合い、納得できる形に整えることが何より
大切です。

感謝。