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ずいぶん前の話ですが、私は動物が嫌いなわけ

ではありませんでした。

ただ、昔とても悲しい想いをしたことがあり、

それ以来、動物を飼うことをやめていました。

若い頃、叔父と叔母の家で、犬や猫、鶏と

一緒に暮らしていました。

そのほとんどが捨て犬や野良猫で、自然と私も

動物が好きになり、犬の散歩を任されるように

なりました。

やがて、愛犬は人間で言えば八十歳を超えた

年齢になり、日に日に弱っていきました。

足腰が立たなくなり、呼吸も荒くなり、家族が

交代で夜通し看病をしました。

最後の時。

体を撫でると、残された力を振り絞るように、

私の手を舐めようとしました。

その姿を見て、心の中で思わず叫びました。

「最後くらい、自分のために生きろよ」と。

犬は、最期の最期まで忠犬でした。

そして、静かに旅立っていきました。

それ以来、熱帯魚以外の動物は飼っていません

でした。

本当の動物好きな人は、その悲しみを乗り越えて、

また新しい命を家族として迎えます。

私には、その勇気がありませんでした。

そんな私が、再び動物を飼うことになったのは、

娘が幼い頃のこと、うさぎが飼いたいという

きっかけで初めて迎えたのは、ネザーランド

ドワーフというオランダ産のウサギでした。

犬や猫とは、まったく違いました。

呼んでも寄ってこない。

機嫌が悪いと噛みつく。

抱こうとすれば嫌がる。

どうやら気性が荒い種類らしいのですが、

それにしても、なかなか心を開いてくれません

でした。

「うちのウサギだけかもしれない」

そう思ったこともあります。

そんな中、ある時ふと気づきました。

ウサギには、鋭い牙も、凶暴な爪もありません。

野生では、真っ先に肉食獣の餌食になる存在です。

何度も手を噛まれましたが、痛いのは一瞬。

致命的な傷を負うことはありません。

「もしこの子が野生に生まれていたら、

たったこれだけの抵抗で、命を奪われるのか」

そう思った瞬間、胸が締めつけられるように

愛おしくなりました。

なれないウサギ。

懐かないウサギ。

それでも、犬や猫とはまったく違う感情で、

この命を大切に思えるようになりました。

弱肉強食という厳しい世界の中で、動物たちは

それぞれの役割を果たしています。

それに比べれば、うちのウサギは、何も知らずに

守られて生きてきました。

幸せかどうかも、きっと分かっていなかった

でしょう。

ただ一つ確かなのは、動物たちは、人間の都合で

可愛がられ、時に捨てられているということです。

だからこそ、縁あって出会った命は、

最後まで責任を持って可愛がる。

それが、人間にできる最低限の礼儀だと思って

います。

晩年のウサギは、運動不足でヨタヨタして 

いました。

おそらく、亀と競争しても勝てなかったと

思います。

そのウサギも、だいぶ前に天国へ旅立ちました。

なれなかったけれど、確かに、家族だった。

今日は、そんな一羽のウサギの話でした。

感謝。


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