お別れのときに欠かせないもののひとつが、
亡くなられた方の遺影写真です。
祭壇に飾られた遺影は、そこにおられるかの
ように優しく微笑み、ご遺族やご参列の皆様を
静かに見守ります。
しかし、その遺影を額に入れて飾らせていただく
前に、私どもは必ず、ご遺族の方にお写真を
見ていただきます。
ご家族がいらっしゃる場合は、「こちらの
お写真でよろしいでしょうか」とそっとお声を
かけ、先にご確認いただきます。
その瞬間です。
写真をご覧になった途端、一瞬にして大切な方と
の思い出が胸によみがえるのでしょう。
長い年月を共に過ごした日々。
笑ったこと、叱られたこと、支えてもらったこと。
言葉では言い尽くせない数々の記憶が、一枚の
写真の中から溢れ出してきます。
そして多くの方が、思わず声を漏らされます。
それは、ため息のようでもあり、感動のようでも
あり、悲しみのようでもあり、感謝のようでも
あります。
そのひととき、私たちも胸が詰まる思いに
なります。
遺影とは、ただの写真ではありません。
その方の人生そのものが映った、かけがえのない
一枚です。
これから先、ご自宅に飾られ、ふとした時に
見上げ、語りかけ、そして見守られていく存在に
なります。
きっと遺影は、これからもずっと、ご遺族の
歩まれる人生を静かに見守っていかれる
ことでしょう。
本日も大切なお別れのお手伝いをさせて
いただけたことに、心より感謝いたします。

感謝。