葬儀を終えたあと、ご家族の心に残るものは
何でしょうか。
立派な祭壇でしょうか。
たくさんのお花でしょうか。
豪華な料理でしょうか。
もちろん、それらも故人を送るための大切な
ものです。
しかし、長年この仕事に携わっていると、
最後にご家族の心に残るのは、もっと別の
ものではないかと感じることがあります。
「ちゃんと送ってあげられた」
という気持ちです。
亡くなった方のお顔を見ながら、思い出を語る
こと。
好きだったものを棺の中へ入れてあげること。
手を握り、心の中で声をかけること。
そして最後に、「ありがとう」と伝えること。
葬儀は、亡くなった方のためだけに行うもの
ではありません。
残された人が、大切な人の死を受け止め、
これからの日々を生きていくための時間でも
あるのだと思います。
最近は家族葬や一日葬、直葬など、葬儀の形も
さまざまになりました。
大切なのは、葬儀の大きさではありません。
たとえ数人だけの小さなお葬式であっても、
そこに故人を想う気持ちがあれば、温かな葬儀
になります。
反対に、どれほど立派な葬儀でも、慌ただしく
時間だけが過ぎ、「もっとそばにいたかった」
という思いが残ることもあります。
人との別れは、人生で何度経験しても慣れる
ものではありません。
だからこそ、最後の時間だけは急がなくても
いい。
泣いてもいい。
思い出話をしてもいい。
何度でもお顔を見てもいい。
そして最後には、「さようなら」だけでは
なく、「今までありがとう」そんな言葉で
送ってあげてほしいと思います。
葬儀で本当に大切なのは、金額でも規模でも
ありません。
大切な人を、大切に送ること。
その想いこそが、何年経っても心に残る
お葬式になるのではないでしょうか。

感謝。