増え続ける無縁墓—その原因と対策を考える
近年、日本各地で**「無縁墓（むえんばか）」**
の増加が深刻な問題となっています。
「お墓を継ぐ人がいない」「子供が遠方に
住んでいて管理できない」 などの理由から、
管理されなくなったお墓が放置される
ケースが増えています。
無縁墓の現状とその原因、問題点、
対策について詳しく解説します。
1. 無縁墓とは？
無縁墓とは、承継者（お墓を引き継ぐ人）
がいなくなり、管理する人がいない
墓のことを指します。
管理者がいないため、荒れ果てたり、
墓石が倒壊したりするケースも増えています。
墓地の管理者（寺院や霊園）は、一定期間
管理料が支払われないと「無縁墓」
と判断し、最終的には撤去されることになります。
2. 無縁墓が増える原因
無縁墓が増える背景には、いくつかの
社会的な要因があります。
① 少子高齢化と核家族化
• 近年、少子化の影響で、お墓を
継ぐ子供がいない家庭が増えています。
• また、核家族化の進行により、
親と子が遠方に住んでいることも多く、
墓参りや管理が難しくなっています。
② 都市部への人口集中
• 地方のお墓を管理できる人が
少なくなり、都市部に住む家族が墓じまい
を考えるケースが増えています。
• 「実家の墓が地方にあるが、遠くて
行けない」という問題を抱える人も多いです。
③ 墓じまいの増加
• 近年、「墓じまい」（既存のお墓を
撤去し、遺骨を改葬する）が増加して
います。
• しかし、墓じまいには費用が
かかるため、放置されるお墓も多いのが
現状です。
④ お墓の管理費未納
• 永代供養ではない場合、毎年の
管理費が支払われないと無縁墓とみなされる
ことがあります。
• 経済的な理由や管理者の高齢化により、
管理費を支払えなくなるケースもあります。
3. 無縁墓の問題点
無縁墓が増えることで、以下のような
問題が発生します。
① 墓地の荒廃
• 無縁墓が増えると、墓地全体が
管理されず、雑草が生い茂り荒れて
しまいます。
• 近隣のお墓にも影響が出るため、
他の利用者から苦情が出ることも
あります。
② 墓石の倒壊リスク
• 長期間管理されないと、墓石が
風化して倒壊する危険性があります。
• 倒壊した墓石が事故を引き起こす
可能性もあり、管理者にとっては大きな
負担となります。
③ 墓地の新規利用が難しくなる
• 墓地の管理が行き届かなくなると、
新たにお墓を建てたい人にとっても
不便になります。
• 特に都市部の墓地は限られている
ため、スペースの確保が難しくなることも。
4. 無縁墓を防ぐための対策
無縁墓を防ぐためには、早めの準備と
対策が必要です。
① 永代供養墓を選ぶ
• 「永代供養墓」は、寺院や霊園が
管理を引き継ぐため、承継者がいなくても
無縁墓になる心配がありません。
• 「合同墓（合葬墓）」や「樹木葬」
なども選択肢として人気があります。
② 事前にお墓の継承について家族と
話し合う
• 「お墓をどうするか」は、生前に
家族で話し合うことが重要です。
• 継ぐ人がいない場合は、「墓じまい」
「改葬」などの方法も検討できます。
③ 墓じまいを検討する
• 継承者がいない場合、お墓を放置する
のではなく、墓じまいを行い、遺骨を
別の形で供養する方法もあります。
• 例えば、「納骨堂」や「樹木葬」
への改葬も一つの選択肢です。
④ 遺言や終活ノートを活用する
• 「自分のお墓をどうするか」について、
終活ノートや遺言に記載しておくと、
家族が判断に迷うことがありません。
• 事前に自分の意志を明確にして
おくことで、無縁墓を防ぐことができます。
5. もし無縁墓になった場合は？
無縁墓になった場合、墓地管理者
（寺院・霊園）が一定期間告知を行った後、
遺骨を合祀（合同供養）するのが一般的です。
• 通常、3年以上管理料が未納である
場合、「無縁墓」として整理されます。
• 遺骨は「合葬墓」に移されることが
多く、遺族が名乗り出ない限り、個別の
墓石は撤去されます。
6. まとめ
✅ 無縁墓が増える主な原因は、
少子高齢化・都市部への人口集中・
墓じまいの増加。
✅ 無縁墓が増えると、墓地の荒廃や
墓石の倒壊リスクなどの問題が発生。
✅ 無縁墓を防ぐには、「永代供養墓の利用」
「家族との事前相談」「墓じまいの検討」
が重要。
✅ 万が一無縁墓になった場合、一定期間後に
合葬墓へ移される可能性が高い。
無縁墓は、今後さらに増加すると考え
られます。
自分や家族が**「将来どうするか？」**
を考え、早めに対策をすることが大切です。
「後で考えよう…」ではなく、今のうちに
家族と話し合ってみませんか？
私達は無縁墓にならない供養を知っています。
お気軽にご相談ください。
感謝。