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偶然の出会いが結んだご縁

以前、地元ではない岩国の地で若くして

旅立たれた方のご葬儀をお手伝いしました。

ご葬儀はトワの和室にて、ご親族に見守られ

ながらの直葬という形でした。

やがて出棺の時間が近づいてきた頃のこと

です。

トワの奥のホールでは、別のご喪家様の枕経の

お勤めがちょうど始まっていました。

すると、和室で待機されていたご親族のお一人

から、突然こんなお申し出がありました。

「突然で申し訳ありませんが、今、奥でお経を

唱えておられるお坊さんに、5分でも3分でも

いいので、最後にお経を唱えていただけ

ませんか?」私は早速、ご住職のもとへ伺い、

事情をご説明させていただきました。

すると、ご住職は迷うことなく、「喜んで

お勤めさせていただきますよ」

そうおっしゃってくださいました。

故人様とは宗派も異なります。

しかも、お盆のお勤めで大変お忙しい時期

でした。

それにもかかわらず、ご住職は快くお引き受け

くださり、故人様のために心を込めて

最後のお経を唱えてくださいました。

さらに驚いたことに、「少し時間が空いて

いますから」

そうおっしゃって、火葬場まで足を運んで

くださったのです。

今日、初めて出会ったご遺族と今日、初めて

故人様に向き合うご住職との不思議なご縁。

そこには宗派の違いを超えた、人としての

温かい心がありました。

そして、ご住職は最後にご遺族へこう語りかけ

られました。

「悲しいとは思いますが、残されたご家族が

一日でも早く悲しみから立ち直り、前向きに

生きていかれることを、仏様も亡き方も望んで

おられます。

だから、亡き方が悲しまないよう、どうか生き

抜いてください」私はそのお言葉を聞き

ながら、胸が熱くなる思いがしました。

大切な人を亡くした悲しみは、簡単に癒える

ものではありません。

ましてや、若くして旅立たれた故人様との

お別れです。

ご遺族の悲しみは、どれほど深かったこと

でしょう。

しかし、偶然出会ったご住職の温かいお勤めと

お言葉によって、ご遺族の心に、ほんの少し

でも安らぎが生まれたのであれば、これほど

ありがたいことはありません。

そして何よりも、故人様が報われたような、

そんな気持ちになりました。

人と人との出会いには、不思議なご縁があり

ます。

ほんの数分、時間が違えば、この出会いは

なかったでしょう。

ご住職のお勤めが、もう少し早く終わって

いても、反対に、まだ始まっていなくても、

このご縁は生まれなかったかもしれません。

仏教には「縁起」という大切な教えがあり

ます。

私たちは決して一人で生きているのではなく、

様々なご縁によって生かされているということ

です。

今回の出来事は、まさにそのことを教えて

いただいたような気がしてなりません。

ご葬儀には様々な形があります。

しかし、どのような形であっても、故人様を

大切に思う気持ちに変わりはありません。

そして、そのお気持ちに寄り添うことこそが、

私たち葬儀社の大切な役割だと思っています。

宗派を超え、立場を超えて、一人の故人様の

ために

心を尽くしてくださったご住職。

そのお姿に、改めて本当の慈悲の心とは何かを

教えていただいた気がします。

ご住職、本当にありがとうございました。

そして、若くして旅立たれた故人様のご冥福

を、心よりお祈り申し上げます。

どうか残されたご家族が、悲しみを抱えながら

も、少しずつ前を向いて歩んでいかれますよう

に。

**人のご縁とは、時として私たちの想像を

超えた温かい奇跡を生むものです。**

感謝。


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