トワ家族葬ホール岩国を立ち上げたのは、19年前

のことです。

私はそれまで大手冠婚葬祭会社に勤め、営業や

施行の現場を経験していました。

しかし、そこで感じたのは「葬儀費用の不透明さ」

と「お客様不在の商売の在り方」への疑問でした。

「本当に困っているご家族の味方になれる葬儀社

を、自分でやってみたい」

そんな一心で、トワを立ち上げました。

けれども、現実は大変厳しいものでした。

経営の経験など一切ない私は、帳簿のつけ方すら

知らなかったのです。

最初に買ったのは金銭出納帳。

そこに現金も預金も全部、同じ欄に書いてい

ました。

そして間違えたら修正ペンで消していました。

そんな帳簿を見た税理士さんが、「修正ペンはダメです

二重線で消して、何が書いてあったか見えるように

修正してください」と怒られる始末。

レシートや領収書は丸めてレジ袋に入れて保管し、

「税金？ 毎月税務署の人が取りに来るんでしょ？」

――本気で、そう思っていたのです。

そんな私に、帳簿のつけ方から教えてくださった

のが税理士さんでした。

何もわからない私に、借方・貸方から丁寧に教えて

くださった。

あのときの恩は、今でも忘れられません。

創業して3年。

気がつけば、赤字は累計、数千万円。

先の見えない暗闇の中で、「これで本当に良かった

のか…」と、毎晩考えました。

でも、私達は一度もご家族に嘘をつかなかった。

誠実に、正直に、安くても立派なお見送りをしよう

と決めていた。

何の会にも、組織にも属さずに、ただエンドユーザー

だけを信じて、やり続けました。

それから十数年—

地元の皆さまに支えられ、少しずつ件数が増え、

気がつけば去年2024年度は年間施行件数300件

以上。

岩国市でのシェアは23%、堂々のトップに立つ

ことができました。

あの頃の私達は、素人の船出でした。

でも、その小さな船は、今、岩国という海で、

確かな信頼という風を受けて進んでいます。

あらためて、支えてくださったすべての皆さまに、

心から感謝申し上げます。

そして、これからも変わらず、どんな時も、

ご家族の味方であり続けます。

感謝。