葬儀が終わったあと、「うちにはお墓がないの
ですが、早く建てた方がいいでしょうか?」
というご相談をいただくことがあります。
納骨する場所がないと、「早くお墓を用意
しなければ」と焦ってしまうお気持ちはよく
分かります。
しかし私たちは、お墓は急いで決めるもの
ではないと思っています。
なぜなら、お墓は建てて終わりではないから
です。
これから何十年と、ご家族やその次の世代が
守っていくことになります。
例えば今はご家族が岩国に住んでいても、
子どもさんやお孫さんが将来どこで生活する
かは分かりません。
県外へ転居するかもしれません。
お墓参りをする人がいなくなる可能性もあり
ます。
そして承継する人がいなくなれば、将来的に
お墓の管理が難しくなり、いわゆる「無縁墓」
の問題につながることも考えられます。
せっかく故人様のために建てたお墓が、何十年
か後に残された家族の大きな負担になって
しまう。
それは、故人様も望んでおられないのでは
ないでしょうか。
だからこそ、お墓を新しく建てる時には、
「今、納骨する場所が必要だから」
ということだけではなく、10年後、20年後、
そして自分たちがいなくなった後、このお墓を
誰が守っていくのか。
そこまで考えて決めることが大切だと思い
ます。
現在は、昔ながらのお墓だけが選択肢では
ありません。
寺院の納骨堂、永代供養墓、合祀墓など、
さまざまな供養の方法があります。
それぞれに特徴がありますので、ご家族の
考え方や将来の状況に合った方法を選ぶことが
大切です。
そして一度お墓を建てても、後になって維持
することが難しくなれば、「墓じまい」を考え
なければならない場合もあります。
お墓を建てるにも費用がかかります。
墓じまいにも手続きや費用が必要になります。
だからこそ、最初にしっかり考えることが
大切なのです。
「四十九日までに納骨しなければ」
「みんながお墓を建てているから」
そんな理由だけで焦って決める必要はあり
ません。
ご遺骨をしばらくご自宅で安置しながら、
ご家族でゆっくり話し合う時間があっても
いいと思います。
大切なのは、立派なお墓を建てることでは
ありません。
故人様を大切に想う気持ちと、その供養を
無理なく次の世代へつないでいける方法を
考えること。
お墓がない方ほど、急がず、これからの
ご家族のことまで考えて慎重に決めていただき
たいと思います。
分からないことがあれば、お寺や墓地の
管理者、石材店、そして私たち葬儀社などに
相談しながら、ご家族に合った方法を探して
みてください。
供養の形は一つではありません。
大切なのは、「今」だけではなく「その先」
まで考えることです。

感謝。