トワのスタッフは、お客様のお通夜の夜、必ず

会館に泊まっています。

夜の見回りで、ロウソクの火を確かめたり、

何か不便なことがないかを確認したり――

夜中でも、いつでも対応できるようにして

います。

ある晩のこと。

いつものように式場へ足を運ぶと、そこには

静かな空気が流れていました。

祭壇の灯明が、やさしく揺れていました。

そっと扉を開けると、亡きご主人様の御柩の

そばで、奥様が小さな声で語りかけておられ

ました。

式場の中には、亡きご主人様と奥様、

お二人だけ。

そこには、何人たりとも立ち入れない“

二人だけの世界”がありました。

きっと朝まで、たくさんのお話をされたの

でしょう。

思い出、感謝、そしてこれからの約束――

言葉にはできないほどの想いが、静かな夜に

溶けていました。

私たちは、そんな時にお声をかけることは

できません。

「慰める」ことも、「話しかける」ことも、

できません。

けれど、その想いに応えるために、せめて

できる限りの誠意と温かさで、お手伝いを

させていただいています。

“語らずしても分かること”

“語り尽くしても分からないこと”

それはきっと、一番近くで人生を共に歩まれた

方にしか分からないものです。

私たちにできることは、ただ静かに、

心を込めてお見送りのお手伝いをさせて　

いただくこと。

その時間を壊さぬように、見守ること。

それがトワの変わらぬ想いです。

感謝。